塩ビ配管曲げ器(楽曲げ)
私は電気工事士の免許を持っていて、電気工事業を営んでいます。
電気工事屋さんが必要とする電気材料には本当にびっくりするほどアイディア商品があります。
主にプラスティック素材の電気材料で、未来工業さん(http://www.mirai.co.jp)や
金属部材に強いネグロスさん(http://www.negurosu.co.jp/)などアイディア商品の宝庫でよくもまあこんな部材まで作っているなあと感心させられます。
電気屋さんしかみても面白くないかもしれませんが、1度ホームページを見ていただいたら勉強になるかもしれません。私自身も職業のアイディアをいくつか考えました。
その中の1つで、「塩ビ配管曲げ器」という電熱器です。
この「塩ビ配管曲げ器」は、電線を保護するのに
通すための円柱状の塩ビ素材(プラスティックの
ような)の配管です。
世間には金属配管もあります。
金属の良いところは、熱に強く硬いというところです。
何か物に当たっても少々では潰れません。
工場の機械などが動いていて、フォークリフトなどが
行きかうところや、その場所が高温になるような
ところは、金属管のほうが適しているでしょう。
でも欠点もたくさんあります。まず,錆びるというところです。
錆びるということによって金属管の中が錆びてはがれていき、そのはがれた金属片が中を通る電線の上に積もっていくのです。電気の線も多少劣化していくと、電線を覆っている被覆も痛んできます。それによって金属管の中の電線が漏電したり、ショートしたりすることもあります。
塩ビ配管だとそれが、ないのです。それは塩ビ配管自身が電気を通さないからです。
塩ビ配管の大きな利点は、
・電気を通さない(漏電しない、ショートしない)
・軽い(金属管よりはるかに軽い)
点です。
では、配管加工(曲げたり、切ったり)はと言うと、配管を切るという点は塩ビ配管のほうが、はるかに簡単です。
しかし、曲げるという作業は金属配管の方が、力はいりますが、しっかり曲げることができます。
金属配管には、ベンダーという配管を曲げる道具があるのです。これもかなり職人の技術が要ります。思うような角度で曲げようとすると、結構むずかしいです。
塩ビ配管は通常では曲げることができません。
まっすぐの塩ビ配管を曲げるには熱を加えるしかありません。
現状では、一般的に「トーチ」というガスバーナーで曲げています。
ところがこのトーチで曲げると、材質が塩ビですので、どうしても焦げ目が入るのです。私もあまりうまくないですが、熟練の人と一緒に仕事しても何本か塩ビ配管曲げがあると、必ずといっていいほど焦げます。
そこで私は、塩ビ配管を曲げるのに、トーストを焼くようにセラミックヒーターで温める電熱機のアイディアを考えました。
実はこのアイディアに似た電熱機はありました。
しかしその電熱器は、ちくわをちょうど半分に切って、半円のような形をしていて、1度熱で曲げてしまうと、もう1度角度調整して暖めなおすのに不便でした。ちくわ状の中に配管を入れるような感じですので、1度曲げると後で角度を変えることができないのです。
私の考えた電熱器のアイディアですと、ちょうどホットドックのウインナーを挟むような感じで、上方が開放されているので、暖めながら曲げる調整ができるのです。
「特許」にすればいいのにと、おっしゃっていただける方もいましたが、先ほども述べましたが類似の電熱器もありますので特許出願には至っておりません。
塩ビ配管をガストーチで曲げると、非常に危険な状態が続きます。ガストーチの温度は300度~2000度近くまで幅広くありますが、どれも高温で、周りの建物などに引火する危険性もあります。塩ビ配管を曲げていく温度というと、70度~90度くらいです。
ガストーチだと、高温すぎて焦げやすいのです。私の考えた電熱機ですと、セラミックヒーターの温度サーモでコントロールできますので、100度前後で設定すれば焦げにくく、電熱器の中で熱しますので安全です。
塩ビ配管が曲がる温度よりは高めにしないと直接火を当てるガストーチと違いますので、空気で間接的に熱しますので温度が低すぎると、曲がらなかったり、曲げるのに非常に時間を要したりします。
私の考えた電熱器ですと、誰でも焦げずに塩ビ配管を曲げることができます。
そのまま長いことほっておくと、焦げてしまいますが、少し曲がった状態で曲げたい角度にしてあげると誰でも焦がさずにうまく塩ビ配管を曲げることができます。
完成品はできていますが、商品化はしていません。昨今のPL法やメーカー責任などで私自身が企画・開発・製造・販売をこなすのは非常にリスクを考えないといけませんでしたので、製造元になっていただけるところを探しています。
塩ビ配管曲げ器
(楽曲げ)